この記事を読む方は、「大阪にある学校に通うことになった」「大阪に転勤になった」という方もいるのではないでしょうか。
大阪は日本三大都市の1つにも数えられており、その利便性の高さから、引っ越しを検討している方も多いでしょう。実際に大阪の賃貸物件情報をチェックしていると、他の都市と比べて比較的家賃が安いことに気づくかもしれません。
特に東京と比較すると、ほぼ同条件の物件であっても3分の2や半額程度の家賃が設定されていることもあります。
この記事では、大阪の家賃がなぜ安いのか、その理由を解説していきます。その他にも大阪の安くて住みやすいエリアも紹介していくので、ぜひ確認してみてください。
【東京と比較】大阪の家賃はなぜ安い?
東京も大阪も日本の中では非常に大きな都市です。東京と家賃を比較すると、大阪はなぜ安いのでしょうか。
その具体的な理由として考えられるのは下記の3つです。
- 保証金・敷き引き制度から敷金・礼金制度に移行したから
- 人口減少による供給過多だから
- ワンルームマンションが増加したから
それぞれの理由について確認していきましょう。
保証金・敷き引き制度から敷金・礼金制度に移行したから
大阪エリアでは、保証金と敷き引き制度の物件が主でした。まずは保証金と敷き引き制度を簡単に説明します。
例えば、保証金25万円、敷き引き20万円で契約した場合を考えてみましょう。
借主は契約時に保証金として25万円を預けます。退去時に20万円が引かれ、借主には5万円が返還されます。ただし、原状回復費用が25万円を超える場合は別途請求されることになります。
そのため、大阪で賃貸契約を結ぶ際には、トータルで家賃の半年以上の支払いが求められるケースも多々ありました。初期費用は高額になる事情から、家賃が抑えられている事情があったのです。
しかし、最近では大阪も東京と同じく、入居時に敷金と礼金を預かる契約に変わりつつあります。そうなると家賃が上昇する流れになるかと思われましたが、現状でも家賃は据え置きになっている物件が多いです。
人口減少による供給過多だから
日本の人口は減少傾向にあり、それは大都市の大阪でも例外ではありません。大阪エリア全体の人口が等しく減少しているわけではないものの、2040年にはおおよそ13%も少なくなると予測されています。このように、人口が減少している一方で、新築物件の供給が高まっています。
近年では副業として不動産投資を始める方も多いです。中でもコンパクトなワンルームマンションは初期投資を抑えることができるとあって、増加しています。他物件との競争力の高まりから、東京と家賃を比較すると大阪の方が安くなっています。
ワンルームマンションの増加したから
不労所得や副業への注目が集まる中、ワンルームマンションに投資をするオーナーが増えています。東京にはワンルームマンション建設に関する規制が存在しているものの、大阪にはありません。
とりあえず人気エリアに土地さえ確保できれば、自由にワンルームマンションを建てられるという状況になっています。そのため、大阪はたとえ人気エリアであっても需要が供給を上回っている状態であり、家賃相場も下がっています。
大阪で安くて住みやすいエリア
家賃が安い大阪には、リーズナブルで住みやすいエリアが多数存在しています。大阪ならば生活費を抑えつつ、都会的な暮らしを楽しめるでしょう。
ここでは大阪の中でもとくに家賃が安くて住みやすい3つのエリアを紹介します。
- 平野区
- 東淀川区
- 枚方市
平野区|下町の雰囲気が残る庶民的なエリア
アクセス | JR関西本線・平野駅から 新大阪駅まで約30分 大阪駅まで約25分 京橋駅まで約22分 天王寺駅まで約10分 なんば駅まで約16分 |
家賃相場 | 1R:約3.3万円 1K:約3.9万円 |
主な近隣施設 | だんじり祭りで有名な「杭全神社」 日本唯一の手作り工芸総合施設「大阪市立クラフトパーク」 |
大阪の中でも特に古い歴史を持つエリアが平野区です。区内には歴史を感じる建物が多く残っており、散策を楽しめるでしょう。大阪市内の主要駅からのアクセスも非常に良好で、平野駅を中心に新築や築浅物件も増えています。また、おしゃれなリノベーション物件も安く借りることができます。
魅力的なエリアである一方で、平野区の情報を集めていると、治安に関する不安な口コミを目にするかもしれません。人口の多さと面積の広さもあり、平野区は犯罪認知件数は大阪市内でも上位になっています。
しかし、住宅街や文教地区といった住むエリアを選べば、落ち着いた雰囲気の中で暮らすことができるでしょう。また、平野区も警察のパトロールや防犯カメラの設置などを積極的に行い、治安の維持に力を入れています。
東淀川区|落ち着いた雰囲気かつ利便性の高い住宅街
アクセス | 阪急電鉄・淡路駅から 新大阪駅まで約5分 大阪駅まで約8分 京橋駅まで約12分 天王寺駅まで約21分 なんば駅まで約17分 |
家賃相場 | 1R:約3万円 1K:約4.5万円 |
主な近隣施設 | トレーニングルームも併設「大阪市立東淀川屋内プール」 豊富な蔵書数を誇る「大阪市立東淀川図書館」 |
利便性の高いエリアには住みたいけれど、騒々しいのが苦手な方におすすめなのが東淀川区です。多くの自然に恵まれた落ち着いた雰囲気の住宅街エリアになっています。
大阪の中でも家賃が安いエリアであるものの、区内には電車をはじめバス路線も多く通っているため、移動手段に困ることはないでしょう。
住宅地エリアと聞くと、買い物に困るのではないかと不安になる方もいます。しかし、近年の東淀川区では、新たな商業施設が次々とオープンしています。
落ち着いた雰囲気はそのままに生活の利便性が高まっており、今後は大阪市内の中でも人気エリアになっていくかもしれません。
枚方市|大阪と京都の間にあるベッドタウン
アクセス | 京阪電鉄・枚方市駅から 新大阪駅まで約30分 大阪駅まで約22分 京橋駅まで約14分 天王寺駅まで約26分 なんば駅まで約27分 |
家賃相場 | 1R:約3.9万円 1K:約4.52万円 |
主な近隣施設 | レトロな遊園地「ひらかたパーク」 駅直結のSC「枚方T-SITE」 自然散策が楽しめる「山田池公園」 |
枚方市は大阪と京都の間に位置しているエリアで、都心部へのアクセスが良好です。大阪方面だけでなく京都方面へのアクセスも良く、祇園四条駅まではおおよそ30分程度です。
どこに行くにもアクセス良好ではあるものの、都市部からは少し離れているため、家賃相場が抑えられています。
一方で、都市部から離れていると聞くと不便な郊外をイメージするかもしれません。しかし、枚方市はスーパーや商業施設が充実しているので心配は不要です。
また、2016年には枚方市駅前に商業複合施設・枚方T-SITEがオープンし、連日賑わいを見せています。
異常に家賃が安い場合は注意!
大阪の家賃は比較的安いものの、その中でもとくに安い価格が設定されている物件もあります。入居者としては安い方が嬉しいと感じますが、あまりにも相場価格よりも安い家賃の物件では、内見をした程度では分からない問題が潜んでいるかもしれません。
ここでは、注意したい物件について紹介します。
- 事故物件
- 特殊な間取り
- 建物の老朽化
事故物件
事故物件とは、過去に何かしらのトラブルや事件事故が発生した物件のことです。ただトラブルがあっただけでなく、入居者が亡くなったことで事故物件として取り扱われるようになります。入居者への心理的な負担が考えられるため、近隣の家賃相場よりも安く設定されるケースがほとんどです。
事故物件は仲介する不動産業者が入居希望者に対して、その事実を伝えなくてはいけません。そのため、入居してから事故物件であったと発覚するケースは少ないものの、あまりにも相場よりも安く家賃が設定されているようであれば、念のために確認することをおすすめします。
特殊な間取り
大阪のアクセスや利便性の高いエリアには賃貸物件だけでなく、多くの建物が密集しています。そのため、中には風通しが悪かったり、日当たりが良くなかったりする物件もあります。そういった物件では生活で不便を感じるシーンが多くなると想定されることから、あらかじめ家賃が安く設定されている物件も少なくありません。
他にも洗濯機は屋外設置であったり、冷蔵庫をリビング部分に置くしかなかったりと配置が限定される特殊な間取りも家賃が安くなります。狭い大阪ならではの問題ではあるものの、「寝るだけだから構わない」「ほとんど家にいない」といった方にはお得に感じるかもしれません。
建物の老朽化
築年数が古い物件であってもリフォームされていれば、新築同然の住み心地を味わえるでしょう。しかし、それはあくまで見た目だけであり、水道や排水パイプ、そして配電(コンセント周りを含む)などの建物全体の設備が老朽化して、生活しているとトラブルが起こってしまうことが考えられます。
ただ使いづらいだけでなく、騒音やニオイの問題に悩まされるかもしれません。また、再開発などの事情から取り壊しや立ち退きが既に決まっている物件も、近隣より家賃が安く設定されます。
まとめ
大阪の家賃が安いのは保証金・敷き引き制度の名残であったり、物件の供給過多であったりと、 さまざまな原因が考えられます。 家賃が安いからこそ、生活費を抑えながら都心部に住むことができるのは、 大阪ならではのメリットです。
この記事で紹介した大阪で安くて住みやすいエリアも参考に、自分にとって最適な賃貸物件を選んでみてください。土地感がなくどのエリアが良いのかわからないときには、不動産業者に直接問い合わせるのもおすすめです。